オープンソースソフトウェアの仕事と英語力の関係について

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こんにちは。望田和希 (もちだかずき) です。

 

こちらの記事ではITの仕事と英語力について書きました。

ITエンジニアに最低限必要な英語のスキルとは?
こんにちは。望田和希 (もちだかずき) です。 仕事に英語が必要なのかは、あらゆるところで議論されていますね。 会社によっては TOEIC の受験を推奨していて、管理職に昇進するための条件に TOEIC の点数を課しているところもあります。...

 

この記事では書ききれなかったことが、オープンソースソフトウェア(OSS)の仕事と英語力の関係についてです。

私の英語力は全然大したことないですが、ここ15年ほどオープンソースソフトウェアの仕事に関わっています。

私の体験と周りの人の状況を踏まえて、記事を書こうと思います。

 

OSSの仕事に英語は無視できない

記事冒頭のリンク先の記事では、ITエンジニアの仕事には最低限、英文読解力が必要と書いています。

国産のパッケージソフトであったり、外国産でも日本語マニュアルが整備されている製品を使って開発するのであれば、英文読解はできなくても仕事が成り立つかもしれません。

 

しかし、OSSの仕事にそれでは通りません。

外国人が開発した製品を使うのであれば、マニュアルは英語です。

日本人が開発した製品であっても、世界中で使ってもらうことを想定しているのなら、マニュアルは英語で書かれることが多いです。

 

日本人のユーザがいて、使い方をWebで公開していたらそれを利用できますが、あくまで参考程度にするべきでしょう。

なぜなら、そのOSSの一次情報は開発者が執筆したマニュアルだからです。

日本語の情報がWebにあっても、一次情報で正しいことを確認するべきです。

 

日本語のマニュアルはあるけれど

私が長年関わっているOSS製品が、データベース管理システムの PostgreSQL です。

マニュアル → https://www.postgresql.org/docs/current/index.html

 

日本のユーザ会が活発に活動しているため、非常によくできた日本語のマニュアルも存在します。

マニュアル → https://www.postgresql.jp/document/current/html/

 

私もこの日本語のマニュアルには日々助けられています。(感謝!)

しかし、最新バージョンのマニュアルは英語にしかありません。ユーザ会のボランティアが翻訳しているため、日本語の情報が最新化されるまでタイムラグがあります。

最新の情報が必要なら、英語のマニュアルを読むことが必要です。

 

また、ごくたまにですが、誤訳があったりします。

あるいは、日本語の訳語より英単語の方がしっくり来る場合もあります。

翻訳ボランティアがいるからユーザの裾野が広がっているのですが、やっぱり一次情報は英語のマニュアルです。

 

マニュアルだけでなく、開発コミュニティのメーリングリストの公用語も英語です。

マニュアルに載っていない細かい情報、バグの情報は英語のメーリングリストを検索する必要があるかもしれません。

私は技術調査やユーザサポートを仕事をしていて、マニュアルに書いていない細かいことを調査したことがありました。

そのときは英語の情報を探したことがありました。

日本語で情報が見つかればラッキーです。

 

開発コミュニティに参加する

OSSはプログラムのソースリストが公開されていて、自分で改造したり機能拡張することが原則自由です。

有益な機能を開発したら、それを本体の正式な機能として加えてほしいと考えるでしょう。

そんなときは「有益な機能を開発したので、正式な機能として認めてほしい」ということをメーリングリストに投稿します。

 

「投稿」するんだから、英語を書く力が求められます。

興味を持ってくれる人がいたら、議論が始まるでしょう。「こうした方がいい」とか「ここはイマイチだから直せ」などと言われるかもしれません。

メールで議論するのは日本語でも難しいですが、それを英語でやります。

 

また、「プログラムの間違いを直したよ」という投稿も歓迎されます。

私もつたない英語で書いた「間違い修正」の投稿をしたことあります。

 

この「英語で議論」が日本語より難しい理由の一つに、外国人は言いたいことを遠慮なく言ってくる傾向が強い点があります。

日本人は他人をおもんばかる人が多いですが、自己主張が大事という文化の人を相手にすると、ズバズバ言われることがあるようです。

そこを理解しておく心構えが必要だと、開発コミュニティに参加している人に聞いたことあります。

 

国際カンファレンスに登壇する

世界中の人が開発に参加するようなOSSであれば、国際カンファレンスが開催されます。

新技術・新機能の紹介、適用事例の紹介、もしくは教育が発表のテーマになります。

まぁ、OSSの「オフ会」です。

 

開発コミュニティで顔を売るため、カンファレンスに登壇する人もいます。

開催地が国内なら日本語でもOKですが、たいていは海外になります。

そうなると英語でプレゼンテーションすることになります。要は話す力と聴く力ですね。

資料は英語で作ることになります。

私の知人でも常連参加者がいますが、例外なく優秀な方ばかりです。

 

できる範囲でOSSに参加しよう

OSSと英語力は切っても切れない関係です。

が、OSSの仕事をするなら、読み書き話すが全部できないとダメかというと、そんなことは全然ありません。

 

私は「読み」しかできません。

英語のメーリングリストに投稿したときは、英語の得意な人に添削してもらいました。

国内のカンファレンスを聴講したとき、外国人の登壇者の話す内容をサッパリ聞き取れませんでした笑。プレゼン資料でどうにかわかるレベル。

 

こんな英語力でもOSSの仕事はできています。

もしくは、「やりたいこと」を基準に英語力を磨いてもよいでしょう。

できる範囲で参加すればよいのです。

 

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