こんにちは。望田和希(もちだかずき)です。
皆さんは「セミナー」と呼ばれるイベントに参加したことはありますか?
狭義には大学において少人数で学問を深く勉強する「セミナー」(ゼミナール)を指しますが、ここでは一般の人を相手に個人や企業が主催する講演会のことです。
銀行などが主催する資産運用セミナーはまさにそれですし、個人のサークルが主催する「勉強会」なるものもそれに該当するでしょう。
インターネットでビジネス教材を販売した人が、その内容をセミナー形式で受講者(購入者)に説明するのもそれです。
オンライン、オフライン問わず、「一対多」で情報を伝える効果は大きいです。
効果が強力なのでセミナーをしたがる人や団体が多いのですが、その裏返しとして「毒にも薬にもなる」刃物のような面があることに注意しないといけないでしょう。
セミナーの「場」を利用して伝える
私はネットワークビジネスを研究していたことがありました。
異業種交流会へ顔を出すと、数々の主催会社の参加者からセミナーへ誘われ、冷やかしで彼らの事業説明会へ行ってました。
彼らは「とにもかくにもセミナーへ動員すること」を最重要視します。なぜなら、しゃべるのがうまいベテランのメンバーが言葉巧みに「このビジネスの素晴らしさ」を訴えるからです。
事業説明会のプログラムは練られていて、純真で世間知らずな人間ならビジネスに参加したくなる雰囲気にさせられます。
このプログラムの完成度は、外資系で世間から「胡散臭い」「被害者が多い」と言われる主催会社ほど、ビックリするくらい高いです(笑
私は冷めた目で「あーあ、こんなこと言ったらホンマはまずいやろ〜」と思っていました。
ネットワークビジネスの全てが胡散臭いとか悪ではありません。真っ当に法律を遵守して事業をしている主催会社もあります。
それでも注目したいのは、真っ当な主催会社であっても「セミナーへの動員」を最重要視していることです。
使ってほしい商品、参加してほしいビジネスプラン、これらを「一対一」で伝えることより、「一対多」で伝える方が効果的だと知っているからです。
直接の知人から物事を勧められると、かえって斜に構えてしまうことがあり、素直になれないです。親兄弟から何かを指摘されると反発するのと似ています。
しかし、利害関係のない第三者から伝えられると、斜に構えることなく判断できるものです。
ここにセミナービジネスの効果の一つがあるといえます。
使い方によっては悪事にも使える
上に書いた、被害者を生み出すようなビジネスにセミナーを使うことは社会正義に反します。
最近話題の給付金詐欺も「集客」した人をセミナーで洗脳し、詐欺の手足にしていました。
高齢者をターゲットにした悪徳商法も、プレゼントを餌に人を集め、価値に見合わない高額で売りつけています。ここもセミナーが洗脳の手段です。
さて、私はインターネットビジネスのネタ探しのため、いくつかのビジネスセミナーに参加したことがありました。
とあるビジネス教材の説明会(実態は教材の販売)では、講師が一方的に話すだけでなく、受講者にも発言してもらう参加型セミナーでした。
講師の説明が一通り終わると、クロージングです。クロージングとは要するに販売者(講師)が教材を買ってくださいとプッシュして決断を促すことです。
すると、周りから買って手続きする人達が目に入る。それを見て、自分も買わないといけないのか、という同調圧力を感じさせられます。しかも、「この場で決断したら○○円引き。この機会を逃すと大幅値上げ」という餌をぶら下げて冷静な判断をできなくさせる。
私は買わなかったですが、結果的にその教材のノウハウはすぐに使えなくなるものでした。
※ 記事のテーマとはズレるが、情報商材の販売方法でよくある「この場で決断したら○○円引き」という餌は規制すべき。家電などのTVショッピングでも同様の販売方法があるが、情報商材は買うまで買い手が中身を確認できないので、売り手との情報格差があり、著しく不利である。
その教材の販売者が、早晩使えなくなるノウハウになるのを承知で販売したのかはわからない。しかし、オワコンのノウハウになるのを知ってて在庫処分的にセミナーで販売したのであれば、これはモラルが問われるし、「悪」であるといえる。
セミナーは刃物のようなもの
よくある刃物のたとえがあります。
「悪人が使えば人を傷つける武器になる。医者が使えば人命を救うメスになる」
セミナーという「場」で情報を伝える手段は、刃物のようなものといえます。
正しく使えば「一対多」で情報を効果的に伝えられます。
使い方を誤れば、被害者を出したり、犯罪の手段にもなります。そこまでいかなくてもモラルに反する使い方もできる。
では正義か悪かをどこで見分けるのでしょう?
これは個人が賢くなるしかないのでは、と思っています。
「インターネットで事前に検索すればいい」という意見もあるでしょうが、私は半分くらいしか信用しません。なぜなら、本当に価値ある情報はインターネットには載らないと考えているからです。
セミナーに参加したことがキッカケで一生の付き合いにつながっている人もいますし、「あ〜、しょうもないセミナーで時間と交通費がムダやったなぁ。講師もケッタイな奴やったし。クソー!」と思ったことも。
何が正義で何が悪かは人によって価値感が異なるため、一般的な判断基準を示すことはできません。
しかし、「タダほど高いものはない」ということを頭に入れておきましょう。
無料であったり安価なセミナーの背後には高額のバックエンド商品の販売を意図していることが多々あります。この手法自体は悪ではありませんが、心構えをしておくことで必要で無い物をその場のノリで買ってしまうことを避けられるかもしれません。
コメント